INTERVIEW

満足よりも、感動を。ユナイテッドアローズの矜持
|Vol.10 出展者インタビュー



2022年12月10日(土)~11日(日)の2日間、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催されるPASS THE BATON MARKET。 第10回となる今回は、全63ブランドのうち28ブランドが新たな顔ぶれとなります。 ユナイテッドアローズ(以下、UAと表記)は、店舗時代からの長年の関係値があり、2019年初開催の本展の初回から参画、マーケット参加は皆勤賞です。 Vol.10を迎えるこのタイミングに、アウトレット事業部の鈴木さんにお話を伺いました。


 ユナイテッドアローズとパスザバトン、その長年の歩み


―― PASS THE BATONのブランド立ち上げから程なくして、UA共同創業者・栗野宏文さんの目に触れたことがきっかけとなり、 パスザバトン店舗で、栗野さん個人での出品や、アウトレット商品の卸がスタートしています。UAさんとは、長年のお付き合いです。

僕は、その頃はパスザバトンさんとの直接の窓口ではなかったのですが、弊社の場合「自分たちの商品を、自分たちの目の届くところで、自分たちで届ける」というのが昔からの基本スタンスなんです。 ですから、パスザバトンに弊社の商品を卸で置かせていただくというのは、かなり珍しいケース。 御社のあの店舗だからこそ伝えられるメッセージやコミュニケーションがあったので、このケースが成り立っていたのだと思います。

―― PASS THE BATON MARKETの会場では、毎回、鈴木さんチームが皆勤賞で参加してくださっていますよね。 UAブースの盛り上がりや、本当に喜んで帰っていかれるお客さまの姿をみて、私たちも心から嬉しい気持ちになります。 鈴木さんは普段はどのような部署にいらっしゃるのでしょうか。

僕はVol.4から毎回参加させていただいています。もともとは、2006年に入社、店舗勤務を経て、業務進部へ異動、会社全体の在庫管理と物量業務を担当していました。 実は、一度退職したこともあるのですが、『店はお客様のためにある』、そこにうそ偽りのないこの会社が好きで、また戻ってきたくらいです。 店舗をバックアップする立場に変わっても、正しく在庫を管理することに代わりはなく、店舗と本部、そして物流側が緻密な連携を取って、お客様に商品を届けることを最重要としています。


 生活者として改めて知りたい、きずものの背景


―― 鈴木さんのチームでは特にきずものの取り扱いをされていると聞きました。

弊社では、店舗、EC、催事分などすべてのチャネルの在庫を一元管理しています。店舗からの戻り品、お客様に販売をする過程で生じたきずものなどが、全て僕たちのチームに集まります。アパレル商品が主なのはもちろんですが、近年ではライフスタイル全般の商品提案をしているので、きずものの種類も様々です。アパレルの仕入れ縫製不良、試着時に口紅がついたもの、店舗でのボールペンの汚れ、電化製品の電池切れや、靴の梱包不良など、ありとあらゆるものが集まってきます。人の手を介するからこそ致し方ないものですが、その数に対して、適切にお届けできるチャネルの数に限りがあります。弊社の場合、そうした商品をランクに分けて、アウトレット店舗や社外催事で販売できるもの、社内販売しかできないものと分けて提供していくようにしています。

―― 基準を設けたり、それを判別するのは、要(かなめ)のお仕事ですね。その商品の価値を規定する砦のようにも聞こえました。

そうですね。とても重要なパートを任されていると感じています。きずものと一言でいっても、程度や使用への支障、どれぐらいのリペアで使えるかなどは、一つひとつ手に取らないと判断ができません。 通常の店舗ではお客様に高い品質でお届けしたいからこそ、どうしても生まれてしまう部分という感覚もあります。

PASS THE BATON MARKETでは、コンセプトに共感したお客様にお伝えしながら販売できるので本当に貴重な機会になっています。 お客様と対話して感じるのは、我々が思う『きずもの』も、気にせず喜んでくださるお客様がこんなにもいらっしゃることです。 最近では、物流内のお直し工房でリペアした商品もご用意していますが、とても好評です。 今日僕が着ているスウェットも、もともとはきずものとなったものを実際に社内でリペアしてみてもらったものなんです。 リペアによって味わいが生まれたり、別の価値を見出すことができたりしますよね。


 売り場の対話 ”も”、未来を変えていく


―― 今年10月からは、自社のサステナビリティ活動をまた新たな形でスタートされたと伺いました。

はい。弊社のサステナビリティの取り組みでは、活動自体に「SARROWS(サローズ)」という名前を付けて、サイトもリニューアルするなど、新たな発信をしています。 サステナブルな社会は、お客様やステークホルダーの皆さんと一緒に作っていくものだと考えています。アイコン化することで、親しみやすさを感じていただきながら活動に賛同・参画いただきたい。 お客様とともにより良い社会を作りあげていくことが当社のサステナビリティの目指す姿です。中期経営計画でも重要な課題として認識していて、実際に活動の数値指標なども公開しました。 一つひとつの取り組み自体はとても地道なもの、継続が大切だと思っています。

―― 企業が企業単体で何かを取り組むだけでなく、かかわる人々と共に楽しく創っていくというスタンスはPASS THE BATONでも大切にしている考え方です。

このマーケットにおいても、お客様からめちゃくちゃ期待が伝わってきていて、それが刺激になっています。 売り手と買い手がフラットだから『次回も期待してますよ!』ってその場でお声がけいただいたりもしますし、複数回参加していることもあって、この売り場での常連さんたちがいらっしゃるのが嬉しくて。 とにかく最高の現場なんですよね。僕たちは、その期待に、満足じゃなく感動でお返ししたい。そうやって一緒に楽しく、この先を創りたいんです。



株式会社ユナイテッドアローズ アウトレット部
鈴木健司
06年UA名古屋店へ入社、店舗勤務を経て11年業務推進部へ異動。
全社の在庫管理や物流業務などに従事、催事に関する業務に長く携わる。16年より現職。





PASS THE BATON MARKET Vol.10 開催概要

日時:2022年12月10日(土)〜11日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
住所:東京都港区港南1-8-35
入場料:300円 ※小学生以下無料
URL: https://www.pass-the-baton.com/news/16005/
主催:PASS THE BATON
共催:コクヨ株式会社
運営:株式会社スマイルズ
協賛:福島県商工会連合会
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。

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