INTERVIEW

シェアして、食べて、心をよせて。歩みを進める人々に、今わたしたちができること。

能登半島地震復興支援インタビュー

この度の令和6年能登半島地震により被災されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。

PASS THE BATONは全国各地の作り手の方々と一緒に、ものの背景にある想いや文化などをお届けするお手伝いをしてきました。北陸地方にも、お世話になっている作り手の方々がたくさんいらっしゃいます。PASS THE BATONは、私たちなりのやり方で微力ながら応援をしていきたいと考えています。

その一環として、能登のものづくりを支援する2つの事業者さんへのインタビューを行いました。ひとつは、輪島塗の復興を目指し職人さんが使う道具を全国各地から集めて寄贈するという取り組み。もうひとつは、PASS THE BATON MARKET vol.15に出展していただく能登の魅力的な商品を届け続けるECストアです。取り組みをひとりでも多くの方に共有すること、商い を支えるために能登の商品を手に取ること。そして、それらを入り口に、被災地や北陸地方への想いを馳せること。あなたの行動が、彼らへの応援になります。

※この記事には、一部被害状況の写真や文言が含まれます。

目次


  1. ・【シェアして応援】「輪島に根付く手仕事を失いたくない」眠れる道具を救い、バトンを渡す木地師の一歩。|“あつめる、つなげる、やってみる”

  1. ・【食べて応援】能登が能登らしく復興するために。能登スタイルストアは、里山海の恵みを届け続ける|能登スタイルストア

    「輪島に根付く手仕事を失いたくない」眠れる道具を救い、バトンを渡す木地師の一歩。

    日本各地に眠っていた漆器作りの機械、道具等を募集して必要とする方に分配する“あつめる、つなげる、やってみる”というプロジェクトを知っていますか。この取り組みの発起人である、福井県鯖江市で越前漆器の製作を行うろくろ舎の木地師・酒井義夫さんにお話を伺いました。

    作り手の明日を照らす道具たち
    ―― 活動をはじめた経緯を教えてください。

    震災の前から、日本中に眠っている漆器作りの道具たちを救う必要性を感じていました。漆器作りの道具を手に入れるには、先代から受け継ぐか、持っている人に運良く譲ってもらえるか。入手困難な素材を使っているものもあったり、道具の作り手も減っていてなかなか手に入らないんです。僕も木地師をはじめる際には苦労しましたね。そんな中、今回の地震が発生しました。親交の深い輪島塗の桐本滉平くんが被災して、彼のために一人の作り手としてなにかできないかと考えていたとき、漆塗りの職人さんから譲り受けた僕の木地工房に、使わず余らせていた刷毛などの道具が眠っていることを思い出しました。この道具たちを寄贈することが作り手である彼にとって助けになるのではと相談してみると、とてもありがたいと言ってもらえて。そこから、まずは輪島塗の復興を目的として元々考えていた漆器作り道具の募集・分配プロジェクトを立ち上げました。桐本くん自身も「一日でも早く仕事に復帰できる作り手が増えてほしい」と、この取り組みにおける能登でのハブとして参画してくれています。SNSでは想像以上の反響があり、続々と道具が集まってきました。漆器産地の作家さんからは刷毛などを、刃物職人さんからは漆採取用の小刀を譲っていただいたり。専門性の高いプロの道具も増えてきています。今は、引き続き募集しながら、道具たちをどのように必要な方々へバトンしていくかを検討しているところです。僕自身作り手の立場として、同じ状況であれば工芸を諦めてしまうかもしれないけど、道具だけでもあれば、それが望みになり、救いになる。前例がないため模索しながら進めていますが、大きな可能性を感じています。


    あなたのシェアが、大きな一歩に
    ―― 読者にメッセージをお願いします。

    AIが進化を続ける現代で、あえて人の手で作り続けるという工芸の価値は今後さらに高まってゆくはず。だからこそ、輪島という土地に根付く手仕事を失いたくない。ただ、漆器作りの道具の募集という対象を絞ったプロジェクトなので、どうしても工芸の関係者まで情報を届ける必要があります。そのため実際にお譲りいただく以外にも、この取り組みを様々な方にシェアしていただくことや知人に心当たりがある方はお声がけいただくなどひとつひとつがすごく大きな一歩になります。意外なところから、実は道具を眠らせていたという方に繋がるかもしれません。これを読んでくれた皆さまに、お力を貸していただけると嬉しいです。



    募集している機械や道具については、以下のページをご覧ください。
    “あつめる、つなげる、やってみる”プロジェクトページ
    https://form.run/@atsumerutsunageru-01  

    ろくろ舎 酒井義夫


    能登が能登らしく復興するために。能登スタイルストアは、里山海の恵みを届け続ける。

    「出荷ができる体制が整った商品から順次お届けします」能登らしい商品を紹介するECサイト・能登スタイルストアは、地震発生から10日後に緊急ページを立ち上げて販売を再開しました。「被災下の今も、毎日事業者の安否確認をしながら能登の恵みをお届けしています」と教えてくれたのは、担当者の酒井さん。今回の出展についてお話を伺いました。

    世界農業遺産「能登の里山里海」が私たちに伝えること
    ―― 酒井さんが思う、能登の魅力を教えてください。

    三方が海の能登半島は良い意味で近代化が進まず、豊かな日本の原風景と暮らしが息づく土地です。環境に負荷をかけない伝統的な農漁法や生物多様性が守られた景観、半島全域で300以上行われている祭礼などは全て循環していて意味があり、世界農業遺産にも認定されています。そこから生み出される食文化や芸能、工芸品のなかには、伝統的でありながら実はとても革新的なスタイルで今も受け継がれているものも。人々の丁寧なものづくりや心を込めたもてなし、地域づくりに向ける熱意など、東京出身の私にとって本当に衝撃的なことは数えたらきりがありません。関わるようになって7年たちますが、今も魅了され続けています。


    能登の恵みを、未来につなぐためのバトン
    ―― おすすめの商品について教えてください。

    今回お持ちする発酵調味料『いしり』も、伝統と新しさを兼ね備えたもののひとつ。 いしりは、いしるとも呼ばれ、魚介類を塩漬けにして熟成させた魚醤のことです。能登は海に囲まれているので魚種と塩が豊富にあり、海山の幸が旬の時期にたくさん収穫されます。それをいつでも美味しく食べられるように塩蔵と発酵の技術が発達しました。「能登のいしる・いしり製造技術」は令和5年に国指定無形民俗文化財に登録されています。その美味しさは、まさに「手塩に掛ける」という表現がぴったりで、たっぷり費やした時間と人手が芳醇な旨味を生み出しています。和食だけでなく、東南アジアやイタリア料理など魚や肉を使った料理の隠し味にものすごく合うんですよ。いつものメニューでも、カレーやポトフの野菜の煮込み時にひとさじ入れたり、使い方は無限です。



    ―― ご来場の皆様にメッセージをお願いします。

    能登らしい復興とは、元に戻ることというより、能登の里山海の恵みを大切にし、持続的に支えてくれる皆さんと一緒に目指すことだと思います。第一歩として、まずはいしりを料理で味わって能登のまいもん(美味いもの)を堪能して下さったら嬉しいです。そして、皆さんが心を寄せる人や守りたい地域に、その美味しさを生み出す能登のことを伝えていただきたいです。さらに、能登に限らず皆さんが守りたいものに対して気持ちを向けて、失われない為に何ができるか考え、動き出す一歩につながったら嬉しいです。

    能登スタイルストア
    https://notostyle.shop-pro.jp/?mode=f5

    PASS THE BATON MARKET vol.15で販売するいしり「enne」について
    https://noto-enne.studio.site/

    能登スタイルストア コーディネーター 酒井可奈子


PASS THE BATON MARKET vol.15 開催概要

【日時】 2024年3月9日(土)〜10日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
【住所】 東京都港区港南1-8-35
【選べる入場料】
通常の入場料:300円
オウエン入場料:500円、1,000円
※小学生以下無料
今回、能登半島地震の被災地に対するPASS THE BATONなりの支援のカタチを考えました。
寄付ができる3パターンの入場料をご用意いたします。
詳しくはこちらをご確認ください。
【URL】 https://market.pass-the-baton.com/event/vol-15/
【主催】 PASS THE BATON
【共催】 コクヨ株式会社
【運営】 株式会社スマイルズ
※入場までにお時間をいただく場合があります。
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。



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