INTERVIEW

いつも、バトンを渡す気持ちで。ザ・コンランショップは、届けるために会いに行く。

Vol.13 出展者インタビュー

2023年9月23日(土)~24日(日)の2日間、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催されるPASS THE BATON MARKET。第13回となる今回は、全56ブランドのうち27ブランドが新たな顔ぶれとなります。本展開催13回目にして、「ライフスタイルショップ」の先駆け的存在であるザ・コンランショップの初出展が決定。来年で日本上陸30周年を迎える同ブランドから、プレスの出渕さんにお話を伺いました。
―― すでにご存じの方も多いと思いますが、あらためてどんなブランドなのかをお聞かせいただけますか。

ザ・コンランショップは、イギリスを代表するデザイナー、テレンス・コンランにより1973年に創業したホームファニシングショップです。 コンランは、イギリスで都市開発やエリア開発、レストランやカフェをはじめ、街のカルチャーを創った人。彼が目利きとなって、世界中のものをセレクトし、家具やインテリア小物など衣食住の全てを揃えたトータルショップとして始まりました。 店舗は、ロンドン、パリ、韓国、日本にあり、もうすぐクウェートにもできる予定です。


―― 「ライフスタイル全般」の品物をセレクトして取り揃えていくというのは、膨大なお品との出会いがあるんじゃないかと拝察します。 ザ・コンランショップとしての、セレクトのポリシーはどのような基準やテーマがあるんでしょうか。

私たちは、創業以来、PLAIN, SIMPLE, USEFULL.(無駄なく、シンプル、実用的)という3つのキーワードを大切にしています。 バイヤーが商品を選ぶ際はもちろんのこと、日常生活においても、何かをもの選ぶ際にいつも念頭にあるくらい、ベースとなっている考え方なんです。 たとえば、自分のすごくお気に入りのコップがあったとします。それがあるだけで、翌朝お水を飲んだり、コーヒーを飲んだりするのが楽しみになりますよね。 家の中のものすべてを、高級なものを揃える豪華な暮らしよりも、それが一つあるだけで自分の生活がワクワクするものになるようなお品を、お客様の手に届けたいと思っています。


―― この3つのキーワードは一つひとつがとても奥深いものですね。今回、本展に出展を決めてくださった理由を伺えますか?

大きく理由は2つあって、一つはサステナビリティについて考えた時に、肩肘はらずに楽しさがありながら、考えるきっかけになっているPASS THE BATON MARKETにとても共感したからです。 私たちは、多種多様な品を取り扱っているからこそ、多種多様な理由で通常販売ができないお品も持っているんですね。 プリントのズレや小さい汚れ、家具などの展示品などなど、お品の数だけいろんな理由を持っています。 これまでは自社のセールで販売してきましたが、海外輸入のお品も多く、自社工場がないので二次加工をして販売することのハードルが高く、なかなか実現できずにいました。 これから模索していきたいと思っている中で、まずは本展でお客様にきちんとお話をしながらご紹介できればと思い至りました。


もう一つの出展理由は、来年の日本上陸30周年という区切りを前に、ブランドとしての転換点を迎えていて、国内の様々な作り手さんともっとつながっていきたいと考えているからです。 私たちが取り扱っているプロダクトの工場に伺う機会がとても増えたのですが、工場の方々から「この素材は、とてもきれいなんだけれど廃材となってしまっていて、コンランさん、これって何かに活かせないですかね?」 というお声をいただくことがよくあるんですね。私たちがこれまで培った力を使いながら、いろんな企業さんと手を組んでものづくりを進められたらと考えているんです。 そのためには、まず私たちから「会いに行くブランド」になっていこうとしています。今回の出展も「会いに行く」の気持ちで参加いたします。


―― ありがとうございます。このインタビュー時はまだまだ準備段階かと思いますが、どんなお品をご用意される予定ですか?

まだまだ社内で相談中ですが、オリジナルのテーブルウェアや雑貨類、家具、ショッピングバッグなど、コンランらしいオリジナルプロダクトを中心にご用意したいと思っています。 「廃番」と呼ぶのも惜しいような、我々の中で大切なお品を持っていきたいなと。まさにバトンという感じで、「うちの子たちを、素敵な使い手の方に引き継いでいただく」という気持ちなんです。


―― そういった想いの部分は、もはや「廃番」という言葉では表現しきれないですもんね。

本当にそうなんです。特に家具などは使い捨てじゃなく、家族や相棒のように長きにわたって使っていただけるものなので、私が売り場で働いていた時も、「この子を育ててあげてくださいね!」という気持ちでご紹介していました。 椅子やテーブルなどは、特に毎日使うので家族同然ですよね。昔の顧客さまのおうちに伺って、家具がその家族の一員になっているのを見ると「この仕事をしていて本当に良かった‥!」と思います。



私たちは、いつでも「作る人」と「使う人」の間にいるんですね。工場でゼロから商品ができあがるところを見て、作り手の気持ちを代弁する。 そして、使ってくださるお客様へお届けして、その笑顔を見届けて、その様子を作り手さんにお伝えする。「作る人」と「使う人」の間にいる「届ける人」という立場が、私たちが担う役割なんですね。 本展でも、「この子にはこんな個性があるんですよ!」という感じで、私たちらしくご紹介させていただければ嬉しいです。

株式会社コンランショップ・ジャパン 
クリエイティブp.(プレス)アシスタントマネージャー
出渕 裕美 Hiromi Izubuchi
2005年コンランショップ・ジャパン入社。店舗スタッフ、営業企画を経て2022年よりクリエイティブチームとしてプレス、マーケティングを中心に活動。2023年よりコンランショップ初のアパレルMDも兼任。



PASS THE BATON MARKET Vol.13 開催概要

日時:2023年9月23日(土)〜24日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
住所:東京都港区港南1-8-35
入場料:300円 ※小学生以下無料
URL: https://market.pass-the-baton.com/
主催:PASS THE BATON
共催:コクヨ株式会社
運営:株式会社スマイルズ
※入場までにお時間をいただく場合があります。
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。



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