INTERVIEW
あなたの知らない銀座の素顔、9丁目からお届けします。
vol.14出展者インタビュー
2023年12月9日(土)~10日(日)の2日間、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催されるPASS THE BATON MARKET。これまでにも多彩なブランド、伝統工芸などが品川に集結してきましたが、今回はなんと“銀座の街”がやってきます。街の若旦那や若女将が一同に会し、「銀座9丁目商店会」として本展に初登場。もっと銀座について知ってもらうことを目標に掲げたこのプロジェクトの仕掛人「SINCE1612」の辻さんにお話を伺いました。
―― 今回はよろしくお願いいたします。まず、銀座9丁目商店会について教えてください。
銀座でイベントごとがあれば運営や警備を受け持つなど、とにかく街のために働く銀実会という地元青年団があります。あまり知られていないですが、銀座の街には並木通りやみゆき通りなどの「通り会」、1丁目から8丁目などの「町会」とたくさんの会が存在しています。そんな中で、銀実会は銀座の街全体を面でサポートする団体。みんな本気で銀実会の活動に取り組みすぎて、『本業に支障が出ないように』と御布令がでるくらいなんですよ。そんな熱量ある銀実会の先輩後輩で、銀座の街を活性化すべく立ち上げたのが「SINCE1612」というブランドです。「銀座9丁目商店会」はSINCE1612だけでなく、さらにいろんな銀座の商店、会社と手を組んで、街の魅力を発信していくプロジェクト。銀座にこんな会社やあんなお店があるよということをお客さまにお伝えすることで、敷居が高いと足踏みしている方たちにも訪れていただきたいと考えています。
―― なるほど。SINCE1612についても教えていただけますか?
SINCE1612は、銀座の“ハブ”として街を盛り上げることをミッションに掲げたブランドです。コロナ禍で銀座に全く人がおらず壊滅状態だったときに、どうにかしなければと銀実会のメンバー4人で発足しました。銀座にはすごい技術を持つ職人さんや、昔から営業を続けている老舗もたくさんあるのですが、個々はあまり知られておらず、さらに自分たちで発信するのもなかなか難しいという現状がありました。そこで1社では難しいところを、僕らを絡めることで解決の糸口に、その結果銀座の街が盛り上がればと思い活動をはじめました。これまでには、銀座限定のシャンパングラスを作り街の飲食店で使ってもらったり、老舗鞄屋の銀座タニザワさんと組んでレザートレイを開発したり。もちろん僕らだけじゃなく、いろんな企業を繋げるなど、まさにハブの役割を担いつつさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。銀座の人が何かしようと思ったら、まず相談に来てもらえるような存在になることが目標です。
―― 銀座9丁目商店会にもたくさんの企業が参加されていらっしゃって、SINCE1612の求心力を感じます。
僕たちに賛同してくれるのは、みんな銀座の街を愛しているからだと思います。街の中には、どんどん新しいことをやっていかなきゃというタイプもいれば、今ある伝統を守りたいタイプもいます。ただ方向性は違っても、銀座の街を愛する、良くしたいという気持ちは同じです。だからこそ、僕らのような若手ブランドの活動にも共感してくれるんです。さらにSINCE1612のメンバーは、僕を含めて銀座の街で商いを行う個人であり、銀実会のボランティア活動などを通じて街の仲間として認めていただいています。有難いことに老舗から新店まで街のみんなから信頼を得ているからこそ、伝統派と革新派のバランスを取りながら両者ともにコミュニケーションを紡いでいける。これは僕らの強みでもありますね。
―― SINCE1612のみなさんだからこそ9丁目商店会のプロジェクトも実現したのですね。そんな辻さんの、銀座の好きなところを教えてください。
すこし歩けばすぐに知り合いに会うところ。行きつけのバーに向かえば、絶対誰かしらいますね。 ハートマンという名物バーなんですが、そこのカツサンドがもう絶品で。世界一おいしいと思ってます。 最後ではなく2軒目でバーに行ってお腹を満たし、3軒目でもう一杯、そして最後に中華で〆るのが銀座の定番です。 夜の街に限らず、いつでも通りを歩けば知り合いがたくさんいる環境ってとっても居心地が良いんですよ。 地元以外にこんな居心地のいい場所ができるとは思っていませんでしたね。
―― てっきり銀座のご出身だと思っていました!銀座に来たきっかけが気になります。
実は京都出身なんです。僕が代表を務める京都の食器屋が、銀座に出店することになりまして。 開店に際して銀実会の先輩でもある田中貴金属ジュエリーの田中社長と話す機会があり、『辻くん、銀実会に入った方が良いよ』と紹介してもらい入会しました。 そしたら、みんなとてもすんなり受け入れてくれて、よく来たね!一緒に頑張ろうね!と。銀座って、格式も家賃もプライドも高い…みたいな先入観があったんですが、それが一気に崩れた瞬間でした。 しかもみんなうちのお店によく来てくれて、相談にのってくれることも。周りのお店は競合ではなく助け合うお隣さん。そんな文化が根付いている銀座は、まさに”日本一大きな商店街”です。 もちろん、多くの方のイメージにあるように銀座は高級店や老舗、職人さんが沢山いる”粋”な街ですが、その雰囲気も商売を営む人たちが醸成していると思うんです。 商店街というB面があるから、粋な街というA面が光る。僕が大好きな、高尚なだけじゃない親しみやすい街という素顔を伝えていくべきだと感じています。
―― 『銀座9丁目商店会』という名前にも、そんな思いが反映されているとか。
そうですね。架空の『銀座9丁目』という場所の『商店会』を謳うことで、手が届きにくい場所にいる実態の見えない人じゃなくて銀座という商店街の住人なんだよという思いを込めています。そんな思いを届けるには、プロダクトだけでなくやっぱり人を通すことも大事だと考えていて。それこそ、僕も銀座についてまだ知らないこともあるんですが、実際に銀座に自宅を持って住んでいる人たちに話を聞くと本当に面白い話が続々と出てきます。銀座で商売をする僕たちだからこそ知る街の素顔を、僕たちの口からお伝えしたら銀座がより魅力的に映るだろうし、僕たちと実際に話してみたら敷居が高い街というイメージも変わりますよ。
―― 今回の出展では、そんな意外な一面も含めた銀座の街に触れることができるブースを展開していただけると伺いました。どんなお品がありますか?
SINCE1612のアイテムのほかに、9丁目商店会に参画する老舗和菓子屋、料亭、お香屋などの商品を展開する予定です。イチオシは銀座通りの街頭フラッグを利用したバッグ。年に春夏秋冬の4回入れ替わる銀座通りの名物フラッグですが、使用後はすべて廃棄処分に。そこで、銀座の街に頼まれてSINCE1612が普段使いできるバッグにアップサイクルしました。軽量で丈夫なのがポイントですよ。第一弾で2021年のクリスマスに掲載されていたフラッグでバッグを作ったとき、老舗文具店・銀座伊東屋さんがこのアイテムにすごく共感してくださって。そこで、伊東屋本店で数量限定販売をしたところ大変好評をいただきました。今回は第二弾として製作した、去年のオータムフラッグを使用したバッグをお持ちします。銀座のものを使ったバッグを持って、実際に街に来ていただけたら嬉しいですね。老舗料亭・𠮷兆の瓶詰は実際に若女将が販売します。商品の話と一緒に、若女将だからこそ知る銀座のおすすめ話が聞けるかもしれません。
―― 商品はもちろんですが、みなさんとお話しするのも楽しみのひとつになりそうです。最後に、意気込みを教えてください。
やっぱり、一番は銀座へ足を運んでほしい。そして、来るからにはお店に入ってみてほしい。 今回一人でも多くの方に、僕たち銀座の商人だからこそ知るおすすめをお伝えしたいと思っています。 紹介されて来ましたってお店の人に伝えてあげたらグッと距離が縮まりますし、𠮷兆の若女将だったら私がお店にいるんで会いに来て!とも言えちゃいますね。 僕がはじめてPASS THE BATON MARKETに行ったとき、お客さんがとても楽しそうにしている様子が印象的で。 こんなにお客さんがワクワクしてくれていたら僕らもすごく嬉しいなと。銀座9丁目商店会ブースに遊びに来ていただいたみなさんを、ワクワクさせられるように頑張ります。
SINCE 1612 マーケティングディレクター/ノーブルトレーダース株式会社CEO
辻 典之 Noriyuki Tsuji
京都府出身。テーブルウェア専門貿易商社・ノーブルトレーダースへ2010年に入社。
2013年、運営するテーブルウェア専門店「ル・ノーブル」の銀座出店のため東京に拠点を移す。銀座のおすすめは、銀座ウエストのエクレア。
PASS THE BATON MARKET vol.14 開催概要
日時:2023年12月9日(土)〜10日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
住所:東京都港区港南1-8-35
入場料:300円 ※小学生以下無料
URL: https://market.pass-the-baton.com/event/vol-14/
主催:PASS THE BATON
共催:コクヨ株式会社
運営:株式会社スマイルズ
※入場までにお時間をいただく場合があります。
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。
愛する銀座に、街の“ハブ”として貢献を
―― 今回はよろしくお願いいたします。まず、銀座9丁目商店会について教えてください。
銀座でイベントごとがあれば運営や警備を受け持つなど、とにかく街のために働く銀実会という地元青年団があります。あまり知られていないですが、銀座の街には並木通りやみゆき通りなどの「通り会」、1丁目から8丁目などの「町会」とたくさんの会が存在しています。そんな中で、銀実会は銀座の街全体を面でサポートする団体。みんな本気で銀実会の活動に取り組みすぎて、『本業に支障が出ないように』と御布令がでるくらいなんですよ。そんな熱量ある銀実会の先輩後輩で、銀座の街を活性化すべく立ち上げたのが「SINCE1612」というブランドです。「銀座9丁目商店会」はSINCE1612だけでなく、さらにいろんな銀座の商店、会社と手を組んで、街の魅力を発信していくプロジェクト。銀座にこんな会社やあんなお店があるよということをお客さまにお伝えすることで、敷居が高いと足踏みしている方たちにも訪れていただきたいと考えています。
―― なるほど。SINCE1612についても教えていただけますか?
SINCE1612は、銀座の“ハブ”として街を盛り上げることをミッションに掲げたブランドです。コロナ禍で銀座に全く人がおらず壊滅状態だったときに、どうにかしなければと銀実会のメンバー4人で発足しました。銀座にはすごい技術を持つ職人さんや、昔から営業を続けている老舗もたくさんあるのですが、個々はあまり知られておらず、さらに自分たちで発信するのもなかなか難しいという現状がありました。そこで1社では難しいところを、僕らを絡めることで解決の糸口に、その結果銀座の街が盛り上がればと思い活動をはじめました。これまでには、銀座限定のシャンパングラスを作り街の飲食店で使ってもらったり、老舗鞄屋の銀座タニザワさんと組んでレザートレイを開発したり。もちろん僕らだけじゃなく、いろんな企業を繋げるなど、まさにハブの役割を担いつつさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。銀座の人が何かしようと思ったら、まず相談に来てもらえるような存在になることが目標です。
―― 銀座9丁目商店会にもたくさんの企業が参加されていらっしゃって、SINCE1612の求心力を感じます。
僕たちに賛同してくれるのは、みんな銀座の街を愛しているからだと思います。街の中には、どんどん新しいことをやっていかなきゃというタイプもいれば、今ある伝統を守りたいタイプもいます。ただ方向性は違っても、銀座の街を愛する、良くしたいという気持ちは同じです。だからこそ、僕らのような若手ブランドの活動にも共感してくれるんです。さらにSINCE1612のメンバーは、僕を含めて銀座の街で商いを行う個人であり、銀実会のボランティア活動などを通じて街の仲間として認めていただいています。有難いことに老舗から新店まで街のみんなから信頼を得ているからこそ、伝統派と革新派のバランスを取りながら両者ともにコミュニケーションを紡いでいける。これは僕らの強みでもありますね。
銀座の街は、日本一大きな商店街!?
―― SINCE1612のみなさんだからこそ9丁目商店会のプロジェクトも実現したのですね。そんな辻さんの、銀座の好きなところを教えてください。
すこし歩けばすぐに知り合いに会うところ。行きつけのバーに向かえば、絶対誰かしらいますね。 ハートマンという名物バーなんですが、そこのカツサンドがもう絶品で。世界一おいしいと思ってます。 最後ではなく2軒目でバーに行ってお腹を満たし、3軒目でもう一杯、そして最後に中華で〆るのが銀座の定番です。 夜の街に限らず、いつでも通りを歩けば知り合いがたくさんいる環境ってとっても居心地が良いんですよ。 地元以外にこんな居心地のいい場所ができるとは思っていませんでしたね。
―― てっきり銀座のご出身だと思っていました!銀座に来たきっかけが気になります。
実は京都出身なんです。僕が代表を務める京都の食器屋が、銀座に出店することになりまして。 開店に際して銀実会の先輩でもある田中貴金属ジュエリーの田中社長と話す機会があり、『辻くん、銀実会に入った方が良いよ』と紹介してもらい入会しました。 そしたら、みんなとてもすんなり受け入れてくれて、よく来たね!一緒に頑張ろうね!と。銀座って、格式も家賃もプライドも高い…みたいな先入観があったんですが、それが一気に崩れた瞬間でした。 しかもみんなうちのお店によく来てくれて、相談にのってくれることも。周りのお店は競合ではなく助け合うお隣さん。そんな文化が根付いている銀座は、まさに”日本一大きな商店街”です。 もちろん、多くの方のイメージにあるように銀座は高級店や老舗、職人さんが沢山いる”粋”な街ですが、その雰囲気も商売を営む人たちが醸成していると思うんです。 商店街というB面があるから、粋な街というA面が光る。僕が大好きな、高尚なだけじゃない親しみやすい街という素顔を伝えていくべきだと感じています。
―― 『銀座9丁目商店会』という名前にも、そんな思いが反映されているとか。
そうですね。架空の『銀座9丁目』という場所の『商店会』を謳うことで、手が届きにくい場所にいる実態の見えない人じゃなくて銀座という商店街の住人なんだよという思いを込めています。そんな思いを届けるには、プロダクトだけでなくやっぱり人を通すことも大事だと考えていて。それこそ、僕も銀座についてまだ知らないこともあるんですが、実際に銀座に自宅を持って住んでいる人たちに話を聞くと本当に面白い話が続々と出てきます。銀座で商売をする僕たちだからこそ知る街の素顔を、僕たちの口からお伝えしたら銀座がより魅力的に映るだろうし、僕たちと実際に話してみたら敷居が高い街というイメージも変わりますよ。
まだ知らない銀座に会いにきて
―― 今回の出展では、そんな意外な一面も含めた銀座の街に触れることができるブースを展開していただけると伺いました。どんなお品がありますか?
SINCE1612のアイテムのほかに、9丁目商店会に参画する老舗和菓子屋、料亭、お香屋などの商品を展開する予定です。イチオシは銀座通りの街頭フラッグを利用したバッグ。年に春夏秋冬の4回入れ替わる銀座通りの名物フラッグですが、使用後はすべて廃棄処分に。そこで、銀座の街に頼まれてSINCE1612が普段使いできるバッグにアップサイクルしました。軽量で丈夫なのがポイントですよ。第一弾で2021年のクリスマスに掲載されていたフラッグでバッグを作ったとき、老舗文具店・銀座伊東屋さんがこのアイテムにすごく共感してくださって。そこで、伊東屋本店で数量限定販売をしたところ大変好評をいただきました。今回は第二弾として製作した、去年のオータムフラッグを使用したバッグをお持ちします。銀座のものを使ったバッグを持って、実際に街に来ていただけたら嬉しいですね。老舗料亭・𠮷兆の瓶詰は実際に若女将が販売します。商品の話と一緒に、若女将だからこそ知る銀座のおすすめ話が聞けるかもしれません。
―― 商品はもちろんですが、みなさんとお話しするのも楽しみのひとつになりそうです。最後に、意気込みを教えてください。
やっぱり、一番は銀座へ足を運んでほしい。そして、来るからにはお店に入ってみてほしい。 今回一人でも多くの方に、僕たち銀座の商人だからこそ知るおすすめをお伝えしたいと思っています。 紹介されて来ましたってお店の人に伝えてあげたらグッと距離が縮まりますし、𠮷兆の若女将だったら私がお店にいるんで会いに来て!とも言えちゃいますね。 僕がはじめてPASS THE BATON MARKETに行ったとき、お客さんがとても楽しそうにしている様子が印象的で。 こんなにお客さんがワクワクしてくれていたら僕らもすごく嬉しいなと。銀座9丁目商店会ブースに遊びに来ていただいたみなさんを、ワクワクさせられるように頑張ります。
SINCE 1612 マーケティングディレクター/ノーブルトレーダース株式会社CEO
辻 典之 Noriyuki Tsuji
京都府出身。テーブルウェア専門貿易商社・ノーブルトレーダースへ2010年に入社。
2013年、運営するテーブルウェア専門店「ル・ノーブル」の銀座出店のため東京に拠点を移す。銀座のおすすめは、銀座ウエストのエクレア。
PASS THE BATON MARKET vol.14 開催概要
日時:2023年12月9日(土)〜10日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
住所:東京都港区港南1-8-35
入場料:300円 ※小学生以下無料
URL: https://market.pass-the-baton.com/event/vol-14/
主催:PASS THE BATON
共催:コクヨ株式会社
運営:株式会社スマイルズ
※入場までにお時間をいただく場合があります。
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。