INTERVIEW

PASS THE BATON PASSCOUNTER
5周年特別企画
PASS THE BATON in PARIS
『フランスで活躍する日本人たち』



日本人というバックグラウンドやカルチャーをどんな風に考え、 異国の地でどのようにして成功しているのか、またどんな苦労をしているのか、 彼らにその秘密を語ってもらい、思い出の品物を出品していただきました。 第二弾は、ミシュラン一つ星を獲得した鮨店『仁』のシェフ、渡邉卓也(TAKU)さん。



渡邉卓也(TAKU)さん -仁- シェフ
フランスで本物の江戸前寿司を出す貴重な店。
フランス人美食家たちを魅了してやまないその理由は・・・?


-元々、TAKUさんの中に海外志向はあったのでしょうか?
ありましたね、20代後半にアメリカに行ったときにNOBUさんの一番最初のお店に行って、日本人がこういうお鮨を提供して、アメリカ人が喜んで食べている光景を目の当たりにして、お客さんとして感動したんですよね。こうやり方もあるのか、と。

-なぜ、パリだったのでしょうか?
2012年、シェフの松島啓介さんと札幌でお会いした時に「パリを見てみたら?」と言われて行ってみたんです。古いものをきちんと大切にする街だと感じたので、自分がやっている伝統的な江戸前寿司は合うし、きちんと魚を扱えている店がなかったので、これはチャンスだと。そして、お鮨をやっていくのと一緒に、杜氏が魂を込めてつくっている日本酒(という文化)を広めていきたいと思ったんです。
その頃、ちょうど和食が無形文化遺産に指定されたタイミングで、料理界全体で鮨がクローズアップされた流れがあったので、「今しかない」と思って、パリに来ました。





-パリでTAKUさんのお鮨が評価されているのはなぜだと思いますか?
土佐酢やぽん酢など、日本を代表する伝統的な調味料を極力使うようにしたり、新しいものもいいんですけど、お鮨も自分自身も古い仕事を掘り下げて取り入れて、ぶれないようにやっているんですね。あとはやはり、こちらには元々ない「うま味」を魚にとじこめるということ、これが受け入れられているんだと思います。鮨を売っていうというよりは、日本の文化や自分のスタイルを売っているという感覚ですかね。



-ずばり海外で成功する秘訣ってなんでしょうか?
「何のために来るのか。」その理由がはっきりしていないと、海外に出ても意味がないと思いますよ。その土地その土地に良いものがあるので、「世界に出て勝負したら?」という事よりは、自分にとってどういう場所か、ということの方が重要だと思いますね。 自分にはこの場所(パリ)があっているんです。 今は、ニューヨークやバルセロナが気になります。バルセロナは魚介も豊富ですし日本の文化にも敏感ですからね。パリで他にやるなら、もっとカジュアルにお鮨を楽しんでもらえるようなかたちがないかな、ということを模索しているところです。いつかばらちらし寿司屋さんなど出来たらいいかな・・・。



渡邉卓也(TAKU)さんの出品物はコチラ





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