INTERVIEW

フェイラーが積み重ねる、世代を超えるものづくり
|Vol.11 出展者インタビュー

2023年4月15(土)~16日(日)の2日間、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催されるPASS THE BATON MARKET。 長く大切にしたい「逸品」に出会える機会として始まり、今回でVol.11を迎えます。今回は、1948年の創業から75年を迎えるフェイラーが本展に初出展。 「世代を超えて使っているもの」を家の中で見回してみると、フェイラーのハンカチが、その一つだという方も多いのではないでしょうか。初出展を記念して、社長の八木直久さんにお話を伺いました。
―― 今回は初出展ありがとうございます。フェイラーとはあらためて、どんなブランドなのかを聞かせてください。

フェイラーは1928年に現在のチェコ(当時ドイツ領)で工房を始め、私たちはドイツ東部、チェコとの国境近くにある小さな町ホーエンベルクでシュニール織をつくっています。 1,400人ほどの人口のうち、約200人のマイスターたちがフェイラーに従事しているんです。地域の伝統織物として始まり、今では街の基幹産業のひとつになっています。


シュニール織は、シュニールとはフランス語で『(蚕などの)いも虫』という意味です。ぷくぷくとした質感のモール糸が似ているのでそう呼ばれるようになったそうです。ハンカチやタオル以外のシュニール織を使ったバッグやポーチなどのアイテムは、日本の熟練した職人たちがつくっています。私たちの製品は、ドイツと日本の熟練した職人の手によってできています。



―― 「昔から、家族が使っている」という印象があるのですが、日本に上陸したのはいつぐらいなのでしょうか。

国内では、1972年に販売を開始しました。百貨店での販売などを通じて多くの方に広がり、日本上陸50周年を迎えたところです。 現在の国内販売店の数は、110店にのぼります。大量生産ができないブランドなので、これだけ皆さんの手に渡っているのは長年のご愛顧とものづくりの積み重ねの結果なんです。 『おばあちゃんの引き出しを開けたらフェイラーのハンカチがあって、お母さんから受け継いで、今使っています』という声や、4世代で赤ちゃんのおくるみを使ってくださっているという話を聞くと、 家族の歴史や思い出をつなぎ、世代を超える価値に感激しますね。


*こちらはお客様の私物写真にて現在は販売されておりません。

―― 機能という「価値」だけでなくて、より情緒的な思い出や願いがプロダクトにさらにのっていくんですね。

フェイラーは日本上陸50周年の節目に、「心はいつだって踊れる。」というブランドメッセージを出しました。 社内でよく話す例えなのですが、ビジネスパーソンの方が、今日大事なプレゼンがあるけど不安でしょうがない…みたいな日に、 出先でふとした瞬間にフェイラーのハンカチをぐっと握りしめて、そのデザインや柔らかな質感に元気づけられ、「今日は大丈夫だ!」と頑張れる、そんな価値を私たちは届けたいんです。


―― 本出展に向けて、イベント限定のプロダクトを製作していると小耳にはさみました。

はい。今回はものの背景を伝えること、リライトという本展の趣旨にとても共感して、出展を決めました。普段はできていないことなのですが、せっかくのチャレンジなので、今回はシュニール織生地の端材をリライトしてポーチを作りました。このリライトに共感してくださる方にいい品をお届けしたいという想いで作っています。



―― 最後に、ご来場予定のみなさんへ、一言いただけますか。

これまでフェイラーを広めてくださったのは、一人ひとりの生活者の方のおかげだと思っています。 だからこそ、これまでも、お客様の声からいつも学んできました。 PASS THE BATON MARKETでも、お客様とお話をして学ばせてもらいたいと思っています。



フェイラーの世代を超えるものづくりの根底には、そんなたゆまぬ努力と前向きな姿勢がありました。 時代を越えて、人から人へ、バトンのように渡されていくものたち。今を共に生き、いつかは大切な誰かに渡したい。 そんなふうに思える「もの」をつくる源を教えていただいたような気がします。




フェイラージャパン株式会社 代表取締役社長 八木直久
1992年住友商事株式会社入社後、住商オットー株式会社、ジュピターショップチャンネル株式会社執行役員 営業統轄本部長等を経て、2022年10月から現職。 



PASS THE BATON MARKET Vol.11 開催概要

日時:2023年4月15日(土)〜16日(日) 11:00〜19:00(最終日は18時終了)
※最終入場は終了時間30分前まで/雨天決行
場所:コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」(屋内・屋外)
住所:東京都港区港南1-8-35
入場料:300円 ※小学生以下無料
URL: https://www.pass-the-baton.com/news/16492/
主催:PASS THE BATON
共催:コクヨ株式会社
運営:株式会社スマイルズ
※社会情勢を鑑み、上記の情報は変更の可能性がございます。

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